離婚慰謝料の計算の仕方を説明します

相手の不貞行為や性格の不一致など、離婚をする理由はカップルによってさまざまであるといえます。そのため、離婚慰謝料の金額についても、すべての場合に通用する一律の基準があるわけではなく、基本的には当事者間の合意によって、妥当な金額を模索すべきものといえます。ただし、離婚をめぐるトラブルというものは今に始まったことではなく、昔から多くの人々が悩みの種としてきたところです。そのため、過去の和解や裁判の事例はある程度は蓄積されており、事情に応じて、客観的に妥当な金額を算定するための基準、計算方法といったものがまったくないわけではありません。円満解決をめざすにしても、やはりこうした基準や計算方法についてあらかじめ知っておくことは、離婚の手続きを不利に終わらせないという意味で重要なことです。交渉がこじれてしまった場合には、なおさら重要性は増してきます。

理由によって種類が分かれる慰謝料

離婚慰謝料とはいっても、どのような目的のために支払われるかによって、いくつかの種類に分けることができます。大きく分けるとすれば、離婚の直接的な原因にもとづく慰謝料と、離婚後の生活保障としての慰謝料ということになります。離婚の直接的な原因にもとづく慰謝料というのは、たとえば、配偶者がいるのに他の女性と付き合うような不貞行為をしたり、生活費をまったく家庭に入れずに生活を困窮させてしまうといった、悪意の遺棄などの場合が挙げられます。こうした離婚原因となる行為によって、肉体的、精神的な苦痛を受けたことはあきらかですので、その苦痛に対しての償いとして、金銭をもって支払うことになります。いっぽうの生活保障としての慰謝料ですが、こちらは離婚によって配偶者の収入が期待できなくなってしまうことに対して、その穴埋めとしての金銭を支払うという意味での慰謝料です。専業主婦のように、これまでは自らの収入がなく、今後働くにしても準備期間が必要という場合が該当します。

さまざまな調整がある慰謝料の金額

離婚慰謝料の金額は、わかりやすくいえば、直接原因と生活保障の二つの要素を足したものと見ることができます。しかし、実際にはこれら以外にも、さまざまな要素が複雑にからみあって、具体的な金額が決定されるものといえます。たとえば、結婚から離婚に至るまでの年数が長いほど、離婚後の生活の再建が困難になることが見込まれます。そのため、一般的には、婚姻期間の長さに応じて慰謝料の金額は割増となってきます。また、離婚原因に対する責任の度合いというものも、やはり重要なファクターといえます。たとえば、不貞行為をひとつとっても、もともと夫婦仲が険悪な状態であったならば、責任の度合いとしては通常よりも少なく見積もるべきといえます。いっぽうで相手に落ち度がないのに不貞行為に及んだのであれば、自ら夫婦関係を壊したという責任は重く、慰謝料の金額も割増をすることを考えなければなりません。このように、婚姻期間の長さと責任の度合いは、金額の決定に大きな影響を与えます。ほかにも、子供の養育への影響、互いの保有している資産の状況、暴力行為の有無などによっても、やはり違いが出てきます。